『欧州委員会が、ファンドオブファンズプログラムを設立』、『AIが担う、新型コロナウイルス治療薬発見における役割』、『食材宅配サービスの英Goustoが、4100万ドルを調達』、『ベルギー発VCが、ベネルクス企業のためのファンドを設立』を取り上げた「欧州イノベーションインサイト:第3回目」をお届けします。
このニュースレターでは、日本企業のグローバル展開、新規事業開拓に役立つ欧州の最新イノベーション、エコシステム、テクノロジー情報を、毎週ピックアップして現地から配信しています。
欧州委員会が、ファンドオブファンズプログラムを設立
欧州委は、
欧州投資基金(EIF)とともに、欧州域内スタートアップへの投資強化のため、新たなファンドオブファンズプログラム「ベンチャーEU」を設立した。ECが出資する4.1億ユーロとともに、欧州委が選定した民間のベンチャーキャピタル(VC)6社から21億ユーロの投資を受けた小規模VCが、加えて収集した資金をデジタル、ライフサイエンス、メドテック、エネルギー等に携わるスタートアップに投資することで、最終的に約1,500社が計65億ユーロの新たな資金を確保できると想定されている。ECは、このVC投資規模拡大により、欧州のイノベーション及びグローバル企業の成長に必要な資金を提供することができるとしている。
AIが担う、新型コロナウイルス治療薬発見における役割
Covid-19がもたらす危機的状況は、AIを活用して新薬発見にチャレンジするスタートアップにとって、そのプロセスを加速させることができるかどうか、AIの実用性や有効性を確かめる良い機会となっている。AIによって新薬発見プロセスのスピードとコストカットが見込まれている現在、機械学習を使用し、既存承認済み薬品から効果的な薬の発見を試みる
BenevolentAIや、新薬発見だけでなく、製薬会社の全く新しい治療法開発にも協力する
Exscientiaが、臨床試験に進むなど、Covid-19に対抗する治療薬発見に励んでいる。一早い現状改善に向け、最新テクノロジーをフルに活用したAIによる新薬発見技術が、世界に希望をもたらしてくれると期待したいところだ。
食材宅配サービスの英Goustoが、4100万ドルを調達
ロンドンをベースに、レシピ付き食材宅配サービスを展開する
Goustoが、4100万ドルの資金調達に成功した。これにより、Goustoが今までに集めた資金の総額は、1.6億ドル以上に達した。なお、現時点で企業価値は明らかになっていない。現在100名程度の従業員を抱え、毎月50以上のレシピと400万回分の食材を、38万世帯に提供しているが、2025年までに配達数を4億回分まで拡大する予定だ。今回確保した資金は、利用者によりカスタマイズされたメニューを展開するためのAIエンジンや、素材の運搬や実際のオペレーションを最適化するための技術開発に充てられる。
ベルギー発VCが、ベネルクス企業のためのファンドを設立
アントワープとアムステルダムを中心に活動するベンチャーキャピタル
Fortino Capital Partnersが、新たに8000万ユーロ規模のファンドを設立すると発表した。それぞれ最初のVCファンド及びPEファンドに次ぐ、同社3つ目となるファンド「The Fortino Capital Venture II」は、ベネルクス地域をベースに活動するソフトウェアスタートアップをターゲットとし、既に個人投資家や複数の機関投資家から半分以上の約4500万ユーロを確保している。Fortino Capitalは、VCファンドからのポートフォリオ8社や、COVID-19の検知やモニタリング技術で積極的な役割を果たしている
Dobcoや
Riaktrへの投資を行ってきた経緯がある。
植木このみ
Open Innovation Group, Intralink Limited
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