『Tiktok、ロンドンに欧州ハブ拠点を設立か』、『The Fund、欧州でシード向けエンジェルファンド立ち上げ』、『持続可能な電子回路印刷のFLeep Techがシード資金調達』、『Intelが、MaaSプラットフォームのMoovitを買収』を取り上げた「欧州イノベーションインサイト:第7回」をお届けします。
このニュースレターでは、日本企業のグローバル展開、新規事業開拓に役立つ欧州の最新イノベーション、エコシステム、テクノロジー情報を、毎週ピックアップして現地から配信しています。
Tiktok、ロンドンに欧州ハブ拠点を設立か
米テック大手のFacebookやTwitterに続き、
TikTokの開発運営を行う中国の
ByteDanceがロンドンに大規模オフィスを設立する方向に動いているようだ。TikTokは、今までに20億回以上のダウンロードを記録した動画共有プラットフォームで、若者を中心に世界中で爆発的人気を誇っている。ユニコーンの中でも世界トップクラスの企業価値を叩き出し、ソフトバンクグループも出資するByteDanceは、既にパリ、ベルリン、ダブリンを含む世界41ヵ国に拠点を持つが、このロンドン拠点は最大のLA拠点につぎ、2番目の規模となる予定で、現在エンジニアの採用を行っている。ブレグジットによる懸念があったものの、これでテック企業の欧州ハブ拠点がまたもロンドンに設置されることになる。
The Fund、欧州でシード向けエンジェルファンド立ち上げ
アーリーステージ企業中心に投資を行う米国VCの
The Fundが、欧州のスタートアップへの投資資金として300万ドルを調達すると発表した。通常のVCファンドとは異なり、今までに同じような経験を経て成功を収めてきた起業家や スタートアップ経営者が主要調達先となり、次世代の有望な起業家及びスタートアップ育成を促進するとしている。昨今、欧州ではこのような起業家から起業家への投資を目的とした『エンジェルファンド』の設立が続いており、
Blossom Capitalや
Atomicoもスタートアップ創始者からの資金を募ってきた。The Fundの投資案件は、彼らのネットワーク活用し、欧州全体、幅広い分野が対象となる予定だ。
持続可能な電子回路印刷のFLEEP Techがシード資金調達
イタリア発ディープテックスタートアップの
FLEEP Technologiesが、プリンテッド・エレクトロニクス技術の市場拡大のため、シードファンドで約86万ドルを調達した。同社は2019年に、環境への負担が小さいプリンテッド・エレクトロニクスやモレキュラー・エレクトロニクスの製造方法を追求するチームを持つミラノの
Italian Institute of Technologyからスピンアウトし、シリコンではなく、リサイクルされた炭素ベースの材料を使用して集積回路を印刷する技術を開発している。同社のマイクロ電子回路は、プラスチックや紙、布などあらゆる素材に印刷でき、柔軟性の高い、持続可能な電子システムへの道を開いている。調達資金は、同社技術の製造規模拡大に充てられ、今後3年間で包装用品やバイオメディカル業界への進出を目指す。
Intelが、MaaSプラットフォームのMoovitを買収
米テックジャイアントのIntelが、2017年に買収した
Mobileyeを『完全なモビリティプロバイダー』にするための強化策として、乗換アプリのイスラエル発
Moovitを約9億ドルで買収した。Moovitが世界3100都市で展開するリアルタイム交通データと、Mobileyeの自動車安全性改善に活用されるADAS(先進運転支援システム)を合わせて、最先端の交通予測技術やロボタクシーの開発を行うことで、同社の自動車事業拡大を狙っているようだ。Moovitは、今までにIntel からの3000万ドルの戦略投資を含め、
BMW iVenturesなどから合計1.3億ドル以上の資金を調達してきた経緯がある。
植木このみ
Open Innovation Group, Intralink Limited
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