『英Railsbank、Visa&グローバル・ブレインから資金調達』、『AIを活用し、コロナ重症患者を特定する新テクノロジー』、『次世代充電バッテリーのAddionics、$600万ドルを調達』、『米Appleが買収した、「欧州のシリコンバレー」発企業とは』を取り上げた「欧州イノベーションインサイト:第2回目」をお届けします。
このニュースレターでは、日本企業のグローバル展開、新規事業開拓に役立つ欧州の最新イノベーション、エコシステム、テクノロジー情報を、毎週ピックアップして現地から配信しています。
英Railsbank、Visa&グローバル・ブレインから資金調達
クラウド・APIベースのオープンバンキングプラットフォームを展開するロンドン発の
Railsbankが、昨年秋に$1000万ドルを調達したラウンドに続き、
Visa及び
グローバル・ブレインから更なる投資を受けた。さまざまなアプリに同社の APIを連携することで、利用者は銀行や銀行インターフェイスを介さずに送金や入金、出金ができるようになる。また同社はVisaとの5年間のパートナーシップを結んだことで、Visaが所有する技術やネットワークを活用し、利用者により効果的なサービスを提供しながら、特にアジアを中心としたBanking as a Service (BaaS)のイノベーション に貢献していくとしている。現在、Railsbankは英国本社やリトアニアなどの欧州、またシンガポールやフィリピンなどのアジアに拠点を置き、さらに米国への進出も控えている。
AIを活用し、コロナ重症患者を特定する新テクノロジー
コペンハーゲン大学の科学者が、新型コロナウイルスに感染した患者の中で、呼吸補助装置や集中治療を必要とする重症患者を、AIを活用して特定しようと試みている。治療を終え、既に回復した人たちからX線や医療記録、テスト結果などの情報を収集、分析し、それを新たに発症した患者に適応する。この技術により、深刻な状態に陥った患者が持つ共通の症状を特定し、今後何台の呼吸補助装置が必要になるか、またどのくらいの人員が必要となるかなどを、医師が全ての情報を管理するスーパーコンピューターを活用しながら予測することができるようになるという。
次世代充電バッテリーのAddionics、$600万ドルを調達
英国発の
Addionicsが、電気自動車用の次世代充電バッテリーの更なる開発のため、$600万ドルの資金を調達した。そのうち、$250万ドルは、
the European Union’s Horizon 2020 programme の一環として付与された。英国有数大学である
インペリアル・カレッジ・ロンドンで学んだ研究者によって設立された同社は、充電バッテリーの構造を改善することにより、そのパフォーマンスや機械寿命だけでなく、走行距離や安全性の向上、さらにコストや充電時間の削減を可能にする「3D金属製法」を開発している。なお、同バッテリーは今まで以上に持続可能で、かつ機能性や実用性に優れており、他にも電気製品や医療機器への応用が可能という。
米Appleが買収した、「欧州のシリコンバレー」発企業とは
デジタル音声アシスタントの自然言語分析技術を開発してきたダブリン発スタートアップのVoysisが、米テックジャイアントのAppleに買収された。同社は2012年に設立され、2017年に受けた$800万ドルの資金とともに、英国エディンバラ及び米国ボストンにも拠点を拡大し、開発を続けてきた。Voysisの技術は、企業がブランド独自の知的音声システムを開発することで、利用者により豊かな自然言語の相互作用をもたらすことをサポートしてきた。特に、オンラインショッピングにおける音声アシスタントの改善にフォーカスを置いている。ダブリンは多くの米国テック企業が拠点を置く「
欧州のシリコンバレー」として、ソフトウェア及びITサービス分野の欧州ハブとなっている。
植木このみ
Open Innovation Group, Intralink Limited
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