『蘭Takeaway.comと英JustEatの合併案件が決着』、『欧州委員会がEUvsVirusハッカソンを開催』、『マイクロプラスチック代替素材Xamplaが、250万ドル調達』、『仏VCが共同で、バーチャルカウンセリングを実施』を取り上げた「欧州イノベーションインサイト:第5回」をお届けします。
このニュースレターでは、日本企業のグローバル展開、新規事業開拓に役立つ欧州の最新イノベーション、エコシステム、テクノロジー情報を、毎週ピックアップして現地から配信しています。
蘭Takeaway.comと英JustEatの合併案件が決着
オランダ発のテイクアウト注文サイトの
Takeaway.comによる同業欧州最大手の英
Just Eatの買収案件が、評価額62億ドルで決着することとなった。元は100億ドル規模になると想定されていたが、結果的に62億ドルで落ち着き、それぞれオランダと英国の証券取引所に上場している2社の合併が正式に決まった。同時に、新たに約7.5億ドルの資金調達にも成功したと発表している。この合併により国内競争が阻害される可能性があるとして、英競争・市場庁が数カ月にわたる調査を行なっていたが、その調査が完了し、今回の発表に至った。欧州のフードデリバリー業界は、英
Deliverooが米Amazonから5.7億ドルの投資を受けるなど、ますます競争が激しくなると予測される。
欧州委員会がEUvsVirusハッカソンを開催
欧州委員会は先週末、新型コロナウイルスの影響の解決に貢献するソリューションの開発に向け、バーチャル汎EUハッカソンを開催した。4月24日〜26日の3日間にかけて行われた同ハッカソンには、2万人以上が参加し、ヘルス、テレワーク、デジタルファイナンスなど合計7つの分野で、合計2000件以上のソリューションが提出された。選出されたアイディアは今後、欧州イノベーション会議が主導するプラットフォームに活用される上、欧州のあらゆる資金ソースへのアクセスが可能となる。結果発表及びセレモニーは、欧州時間30日午後を予定しており、結果は後日以下サイトより確認できる予定。
マイクロプラスチック代替素材Xamplaが、250万ドル調達
欧州でプラスチックに関する規制がますます厳しくなる中、植物ベースのマイクロプラスチックの代替素材を開発するディープテックスタートアップの
Xamplaが、シードラウンドで250万ドルを調達した。ケンブリッジ大学のスピンオフであるXamplaは、独自の迅速かつ完全に分解するタンパク質を武器に、世界で120億ドルの市場があるとされるマイクロカプセルに関する分野に進出している。既に2つの新素材で特許を取得済みの同社は、3件目となる現在開発中の素材のプロトタイプを使用したフィルム、ジェル、カプセル等の開発に今回の調達資金を活用するとしている。
仏VCが共同で、バーチャルカウンセリングを実施
フランスのベンチャーキャピタル17社が連携し、スタートアップ向けのバーチャルカウンセリング「VC Hours」を提供している。これにより、まだVCから投資を受けていない、エンジェル投資家を中心に資金を集めているスタートアップを中心とした企業が、30分の無料カウンセリングを通して、資金調達やキャッシュフロー等に関する専門家のアドバイスを受けられる。以前、
別のブログで紹介したように、同国は政府が40億ドル以上の救済支援を推進するなど、国を挙げてエコシステム全体のサポートを行なっており、官民が力を合わせ、欧州でコロナショックの対応に最も注力している一国と言える。
植木このみ
Open Innovation Group, Intralink Limited
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