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イノベーションインサイト:第1回

いつも弊社のニュースレターをご愛読いただき、誠にありがとうございます。   引き続き幅広い地域に拠点を置いていらっしゃる皆様のグローバル展開、新規事業開拓にお役立ていただける情報を配信していくために、イントラリンクは今回から、同ニュースレターを「Innovation Pick of the Week: イノベーションインサイト」に改め、欧州だけでなく、北米や東南アジアを含めたグローバルな最新イノベーション情報をお届けしていくことといたしました。  今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。  『Global Innovation Index 2022が発表に 』『メタバースのImprobable、企業価値30億ドル超え』『モバイル決済Satispay、伊の最新ユニコーンに 』『SINAI Technologies シリーズA、2200万ドル調達』『Dexterityと住友商事、日本の倉庫に次世代ロボット導入』『核融合発電の時代、ついにやって来るか』『デジタル競争力ランキング、シンガポールがアジアトップの4位 』、『三菱電機、シンガポールのKEGMILに出資 』を取り上げた「イノベーションインサイト:第1回」をお届けします。

Global Innovation Index 2022が発表に 

世界知的所有権機関(WIPO)が毎年発表するGlobal Innovation Index の最新版が公開され、スイス、米国、スウェーデンが最も革新的な経済として名を連ねた。同レポートによると、例年に続き、欧州がイノベーションリーダーを最も多く輩出しており、今年もトップ10に7ヶ国(トップ3以下、英国、オランダ、ドイツ、フィンランド、デンマーク)がランクインした。またスイスは12年連続トップの座を守り続けており、特に特許数やハイテク製造分野で世界一となっている。この最新ランキングからも読み取れるように、主要なイノベーションエコシステムとしての欧州の地位は確固たるものになっている。なお、日本は昨年と同じく13位だった。

メタバースのImprobable、企業価値30億ドル超え

ロンドンに拠点を置くメタバーススタートアップのimprobableが、1億ドルの資金調達を行い、その企業価値は30億ドルを超えるという。2012年に設立された同社は、ゲーム開発者、学術機関、その他企業が独自の仮想世界を作成するためのメタバースインフラストラクチャを開発しており、既にトレーニング目的でシミュレーションを行うために米英軍ともそれぞれ提携している。本ラウンドはブロックチェーン企業のElrondが率いたが、今年4月に1.5億ドルの調達を行ったラウンドにはソフトバンクも参加していた。

モバイル決済Satispay、伊の最新ユニコーンに

イタリア発決済スタートアップのSatispayが、最新のシリーズDラウンドで3.2億ユーロを調達した。その結果、企業価値も10億ユーロを超え、Scalapayに次ぐイタリア第2のユニコーン入りを果たした。本ラウンドには、Scalapayにも出資しているTencentも参加しており、伊フィンテック業界に中国資本が注ぎ込まれている様子がうかがえる。Satispay は、2013年に設立されてから国内最大のモバイル決済プロバイダに成長し、300万人を超えるユーザーと20万の加盟店を抱えている。今回の調達資金をもとに、同社は欧州各地のオフィスで従業員数を現在の倍となる600人まで増強し、グローバルなビジネス展開を行なっていく予定だ。

SINAI Technologies シリーズA、2200万ドル調達

サンフランシスコに拠点を置き、脱炭素インテリジェンスプラットフォームを提供するSINAI Technologiesが、シリーズAラウンドで2200万ドルを調達した。二酸化炭素排出量を測定し、その削減方法を推奨するための技術を自負する同社のクライアントリストには、鉄鋼大手ArcelorMittal、東芝、Siemensなどが名を連ねている。日系投資会社Presidio VenturesNEC Translink Capitalなどが参加した今回の調達資金は、マーケットの拡大と気候変動専門家チームの育成に充てられる予定だ。SINAIが提供するソフトウェアは、企業のあらゆる事業におけるデータを正確に集計し、排出量を削減するための最も費用対効果の高い方法をモデル化、複雑なバリューチェーン間でのコラボレーションを支援する。

Dexterityと住友商事、日本の倉庫に次世代ロボット導入

カリフォルニア発、倉庫内オートメーションに特化したロボットソリューション企業Dexterityが、住友商事と戦略的パートナーシップを締結し、2026年までに同社ロボットを日本全国の倉庫に1500台導入することを発表した。住友商事は2020年に米拠点コーポレートベンチャーキャピタルであるPresidio Venturesを通じてDexterityに出資しており、この独占販売契約は日本におけるRobots as a Service (RaaS)事業の展開を可能にする。Dexterityのロボットは米国内のさまざまな倉庫のラインで4000万以上のアイテムの流れや梱包作業をサポートしてきた実績を持つ。今年11月には、サプライチェーン関係者向けのインテリジェントロボットデモ施設も日本にオープン予定。

核融合発電の時代、ついにやって来るか

核融合発電が、ついに手の届くところにまでやってきたとする見解が増えている。核融合に必要な超高温プラズマを閉じ込めるための磁石が、より強く、効率的になり、核融合実験が生み出す電力は増加し、原子炉が消費する以上の電力を生み出す点、いわゆる損益分岐点にあと数年で近づくことができるという。核融合関連の新興企業は昨年だけで27億ドルを調達した。ビルゲイツが創設したBreakthroughが、Commonwealth Fusion Systemsの18億ドルのシリーズBに参加し、他にもChevronとGoogleがTAE Technologiesに2億5000万ドルを出資した上、さらにHelion EnergyZap Energyもそれぞれ5億ドルと1億6000万ドルを調達した。より高速でエネルギー効率に優れた半導体、機械学習、高温超電導磁石の融合とさらなる進歩が、新たな企業の登場を期待させる。

デジタル競争力ランキング、シンガポールがアジアトップの4位

2022年版IMD World Digital Competitiveness Rankingで、シンガポールは昨年から順位を1つ上げて、63カ国中4位となった。このランキングは政府、ビジネス、社会におけるデジタル技術の活用状況を反映したもので、今回は首位からデンマーク、米国、スウェーデンと続いた。54の評価項目のうち、シンガポールは「テクノロジー」、「規制の枠組み」でトップとなり、特に移民政策への国民の高評価が、規制関連基準の向上につながったとされている。また教育や研究開発に携わる人材の増強や、海外からの人材誘致も今回の順位に貢献している。その他のアジア諸国は、韓国(8位)と香港(9位)がトップ10にランクインした一方、日本は昨年から1つ順位を下げ、過去最低の29位だった。

三菱電機、シンガポールのKEGMILに出資

FTV labsの子会社でシンガポールに拠点を置くKEGMILは、最新のプレシリーズAラウンドで、三菱電機をはじめ、Global Brain Corporation、Origgin Corporation、GHV Accelerator、Plug and Play Indonesiaなどから220万米ドルの資金調達を受けた。同社は、製造、建設、物流業界などで記録のデジタル化を可能にするフィールドサービスマネジメントを提供している。今回調達した資金は、製品開発の加速、さらに建設、製造、海運、また再生可能エネルギー分野での成長促進に充てるという。また三菱電機とFTVは今後、東南アジアでのビジネス拡大を目指し提携を行う、ベトナム、マレーシア、シンガポールでの採用を進める方針だ。 植木 このみ Open Innovation Group, Intralink Limited イントラリンクについて イントラリンクは、海外ベンチャー企業のアジア事業開発、日本大手企業に対する海外オープンイノベーション支援、海外政府機関の経済開発をサポートするグローバルなコンサルティング会社です。

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